右足の大腿骨の付け根を骨折し、人口関節の手術をした母。
そして、すぐに、今度は、左足の大腿骨の付け根を骨折し、人口関節の手術をした。
その退院した日に、自宅で転び、右足の人口関節が外れた。
右足の人口関節を、再度手術で付け直す予定だったが、発熱と血圧が高く未定となった。
そのまま、右足はベットにワイヤーを付けられ、重しをつけ、下に引っ張ったまま。
母の苦痛は続いた。

母はベットで尿管を付けたまま、大便は仕方なく、おむつをするしかなかった。
ある日、看護師さんが、母のおむつを交換しに来た時に、違和感を感じたそうだ。
「大便が肛門から出て居ない、窒から出てきてる。」と言うのだ。
医師たちは、母の様子を見る。産婦人科の医師は常駐していないので、外から呼んできて
診察したそうだ。
いろんな医師と、検査をした結果の報告を聞くために、私は病院に呼ばれた。

「お母さんは、『直腸窒ろう』と言う状態になってます。これは、窒と大腸の皮膚は
内部で皮膚一枚隣り合わせになってる。その皮膚が、なんらかの理由で、裂けてしまい、大便が窒から出てきてしまうのです。その大便が子宮内に入り、熱はそれが原因と考えられます。
これは、どうにもならず、大便の大腸菌が子宮内に入ってしまったので、抗生剤を点滴して様子を見るしかありません。
この窒と大腸の皮膚が裂けてしまうと、手術して縫い合わせる事は出来ません。
可愛そうですが『人口肛門』と言う事になり、大腸のどこかに穴をあけて、袋を付けて
行くしかないです。そのためには、外科で人口肛門を作る手術と、右足の人口関節を
再度、布設する手術を行わないとならない。
でも、今は熱と血圧が高いので、まずは、それをなんとかしないとなりません。」と。

私は愕然とした。
窒と大腸の皮膚が裂ける？？そんなことがあるの？？と思った。
その原因を整形外科の医師に聞いても「分からない」としか言わない。

なぜ？？母は恥骨・坐骨骨折に、脱腸に、右足大腿骨の付け根の骨折に、左足の大腿骨の付け根の骨折に、今度は直腸窒ろう？？下腹部に集中してる。

整形外科の医師が言うように「転んだ」だけで、こんなになるはずがない。

思い当たる事は、脱腸の手術をする時に入院した時か、右足の大腿骨を人口関節に手術する時に入院した時か、忘れたが、「胃カメラの検査」「大腸ファイバー検査」をしたと言う。胃カメラの検査の後、母は「痛くもかゆくもなかったわ。楽だったわよ」と言っていた。ところが、大腸ファイバーの検査の時、先生が「お母さんが、暴れて暴れてすごかったんだよ。」と言っていた。母も「もう、痛くて痛くて、もう止めて！って言ったくらい
痛くて仕方なかったのよ。」と言ったのを覚えていた。
我慢強い母が、それだけ暴れたのは、相当痛かったからだと思った。

以前、友人の母親が「胃カメラの検査をした時、下手な医師が行ったせいで、胃カメラを
食道にひっかけてしまい、大変だったのよ。」と聞いたことがあった。
私もいろいろ調べてみた。
胃カメラも、そういう「ひっかけられた」と言う事例もあったが、大腸ファイバーも
同じく「ひっかけられた」と言う事例もあるのだった。
母が暴れたのは、ひっかけられて、窒と大腸の皮膚が裂けて、痛くて痛くて暴れたのでは？と思った。
だが、検査の時には、家族は外に出されるし、病院側はそれがあっても隠すであろう。

または、家具の下敷きになった時に、実は、恥骨・坐骨・脱腸・両足大腿骨骨折が
あったのでは？と思った。

でも、それと、大腸と窒の皮膚が裂けるのは、また別の話しではないか？とも思った。
まして、骨折した付け根の骨が、ドロドロに溶けているとは。

とにかく、早く、母の熱が下がり、血圧も下がる事を祈った。
この後、人口肛門を作る外科医師から、ひどい言葉を使い、説明を受ける事となった。